【廃校再生】むろと廃校水族館を見学。雑な説明が面白すぎる

2021年2月16日水族館,四国

むろと廃校水族館

廃校水族館

むろと廃校水族館はその名の通り、廃校となった小学校を水族館として再生させた施設です。建物は2006年までは椎名小学校として地域の学校教育を担っていましたが、生徒数の減少を受け廃校となりました。その後10年以上の時を経て水族館という生涯学習の場として2018年に復活を遂げました。

廃校を利用した水族館と言えば和歌山県の水族館もそうですね。

むろと廃校水族館は25mプールをそのまま巨大水槽として活用したり、手洗い場をタッチプールとして利用するなどそのインパクトからSNSで拡散、複数のメディアに取り上げられるなどの追い風を受け、交通の便が悪いにも関わらず開校(本来なら開館ですが…)から僅か半年で来校者数10万人を突破するなど地方活性化の面でも非常に注目されている施設です。

むろと廃校水族館以外にも、廃校を利用した施設はいくつかあり、それらをまとめた書籍も出版されています。気になる方はこちらを読んでみるのも面白いと思います。また、この書籍は水族館内の図書館で読むことが可能です。

水族館に展示されている生物は約50種1000匹とかなり小規模ですが、それらは全て地元の漁師により寄贈されたもので、定置網に掛かってしまったウミガメやマンボウなど意外な生き物たちも展示されています。

施設内は小学校をそのまま活用しているため、廊下はもちろん図書室や理科室があり、黒板までもが残されています。自分自身が通った小学校ではありませんがどことなく懐かしい感じのするとても変わった水族館です。

また、館内には小学校の面影を残す工夫が随所に施されており、それを探しながら見学するのもまた楽しみの一つでは無いでしょうか。見れば見るほど楽しい水族館で来館者を笑顔にする工夫がたくさんの素晴らしい施設です。

基本情報

  • 公式ホームページ
  • 住所:高知県室戸市室戸岬町533番地2[GoogleMapで開く]
  • 開校時間:9:30~18:00(10~3月は9:00~17:00)
  • 休校日:年中無休
  • 料金:大人600円、小中学生300円

アクセスは非常に不便と言わざるを得ません。自家用車の場合、徳島ICから海岸線沿いを2時間半ほど走ったところにあります。高知市側からの場合も市内から同様の所要時間です。公共交通機関の場合、電車は無いためバスの利用となります。ただし、バスも同様の所要時間なうえ、1~2時間に一本程度となっていますので、可能な限り自家用車・レンタカーを利用することをオススメします。

館内をぐるっと見た際の所要時間は1時間程度でした。

屋内展示

水族館に入ってすぐに受付がありますが、スタッフ入口には「職員室」の案内があります笑。こういった細かい設定がこの水族館の面白いところです。

最初の水槽は階段で2階に上がったところにあるタッチプールとなります。手洗い場を上手く活用しており、早速小学校の設備を活かした展示となっています。説明書きとなる部分には黒板が使用されている点にも注目です。

タッチプール

一つ目の教室には机と黒板がそのまま残されていました。講義や講演会が行われる際にはここが使われるのでしょうか。少し椅子と机が低そうですが笑。

廊下には地図が貼られていましたが、これも当時のものでは無いかと思います。また、仕切りとして置かれている跳び箱にも水槽が仕込まれており金魚が泳いでいました。

跳び箱

続く2教室は中央に大型水槽が設置されていました。意外に深く作られており、床を突き抜けて2階建ての水槽になっているようです。

最近何かと話題になる地球環境問題についてもしっかりと展示されています。実際にサメやウミガメの胃袋から出てきたビニール袋等が展示されており、改めて環境問題について考える時間を取ることが出来ます。こういった忘れがちな問題について考えるきっかけを与えるということは博物館施設において非常に重要な役割だと私は考えているのですが、廃校水族館のような小型の施設でもしっかりと問題提起を行っているというのは驚きでした。

ウミガメの胃の内容物

教室の次は専門教室を見学することになります。開放されている教室は、家庭科室・理科室・図書室・音楽室の4つです。このうち、家庭科室は災害等発生時の食料備蓄を行っている関係上、料理体験プログラムのみで一般開放されています。

元が小学校なだけに災害時の避難場所として指定されているのは当然と言えば当然の話ですね。いざという時のためにも廃校ではなく水族館として整備をしておくことは重要ではないでしょうか。

家庭科室から音楽室までの廊下にはいろいろな魚の液浸標本が並んでいます。問題はそこに置かれた解説シートです。画像のような思わず笑ってしまう雑な解説(雑学)がずらっと並んでいます。ここまで割り切った解説は他の水族館ではまず見れないもので、小学校の設備をそのまま水族館として活用するだけのことはあると感心してしまいます。

理科室は準備室も併せて開放されています。準備室は資料棚が標本庫として展示されています。中央にはクジラの標本が配置され、狭い室内いっぱいに骨格標本が広がります。なかなかのインパクトでそちらに目を取られてしまいますが、棚に保管された標本にも貴重なものが多数展示されています。

理科準備室

理科室は専用の机がそのまま活用されているのが面白いです。ガスや水道は使用できなさそうですが、コンセントは生きており、展示の方法も多彩です。理科室の展示は心なしか他の部屋よりも解説が詳しいような気がしました。

理科室

音楽室はキッズスペースとして開放されており、木琴・鉄筋やアコーディオンなどが自由に使用可能です。また、設置されているオルガンは千葉県の個人の方からの寄贈という事で、水族館が広く愛されていることが分かります。

キッズスペースということで、楽器が置いてあるほか、子供向けの室内遊具とフロアマットが設置されています。子連れの方でも安心して利用できるよう配慮されているように感じました。

図書室には新旧様々な本が置かれており、自由に読むことが出来ます。さすがに貸し出しは無さそうです笑。

明らかに水族館になってから持ち込まれたであろう海洋関係の専門書があったり、小学校時代からそのまま残されているであろう昆虫図鑑や歴史漫画があったりと蔵書を見ているだけでも楽しむことが出来ます。

日焼けした蔵書

屋外展示

屋外には水族館最大の目玉となるプール水槽があります。SNSやテレビ番組などでも度々取り上げられており、一度は目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

実際に見てみると特に違和感のない水槽といった感想で、驚くほどしっくりくる感じです。さすがに魚と一緒に泳ぐとは行きませんが、展示されている生物を生徒と呼称するのもわかる気がします。

プールには、魚だけでなく、エイやサメ、ウミガメなども泳いでいます。数はそれほど多いわけではありませんが、底が水色に塗装されているため魚が見やすいことが特徴です。

プール水槽

更衣室だった施設では魚のエサ(200円)を購入することが可能です。エサを投げると魚がどんどん寄ってきますが、プールサイドからエサを投げるためかなり近い距離で魚を観察することが出来ます。

魚

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